Expansive
理論研究
論文
Temporary organization as expansive learning: towards a resolution to the project learning paradox
This paper addresses the "project learning paradox" between creating and accumulating knowledge prevalent in projects or temporary organizations (TO) by drawing upon Dewey's notion of "trans-action" and defining the learning relationship between permanent organizations (PO) and TO.
要旨
- 組織から見てプロジェクトは学習効率が非常に良いとされる一方で、プロジェクトが解散すると学習されたことが失われてしまうので、結果的に組織学習になり得ないという「プロジェクト学習パラドクス」を解消する観点を提供した。
- パラドクスの源泉は組織とプロジェクトを名詞的に捉えてしまうことにある。本稿では、プロジェクトを組織の拡張的学習プロセス(動的な現象)であると考えることで、パラドクスが解消する(正しいプロジェクト設計が行われれば組織の矛盾解消=学習こそが成果となる)ことを確認した。
- この考え方を敷衍すれば、組織やプロジェクトが互いにフラクタルな関係性を持っていることが分かるが、この結論は第4世代の活動理論が提唱する複雑なプロジェクトの分析単位としての「融合する拡張的学習サイクル」(Engeström and Sannino, 2020)と整合的である。
- なお、この拡張的学習の考え方を応用することで、組織学習が困難であるとされる「プロジェクト型組織」において有効な組織学習は2パターン(変革プロジェクトまたは横断機能(ロール)の設定)のみであることが導ける。
Read Full-Text
(ResearchGate)
発表学会
OLKC(International Conference on Organizational Learning, Knowledge and Capabilities)
September 2022
At: University West, Trollhättan, Sweden
- 2006年に欧州の組織学習系学会が全て統合して発足した欧州最大の組織学習学会
- ナレッジへの情熱の観点から「組織プロセス」&「学習・理解」の関係を多角的に探究を試みている